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妊婦がタバコを吸うと胎児が嫌々する!



現在8種類が存在する警告文の一つに『妊娠中の喫煙は、胎児の発育障害や早産の原因の一つとなります。疫学的な推計によると、たばこを吸う妊婦は、吸わない妊婦に比べ、低出生体重の危険性が約2倍、早産の危険性が約3倍高くなります。』というものがある。妊婦の喫煙は、自身のみならず赤ちゃんの命をも危険に晒す行為であるというわけだ。

  そして今回、この事実を如実に示す驚くべき研究結果が
学術誌「Acta Paediatrica」上で発表された。なんと、喫煙者の胎児は、非喫煙者の胎児よりも、頻繁に顔や口元に手を据えていることが確認されたというのだ。今月23日の英紙『テレグラフ』は、「胎児が苦しがっている様子だ」などとショッキングな表現で報じている。

研究を指揮したのは、英・ダラム大学で胎児の発育を専門に研究しているナジャ・ライスランド博士の研究チームだ。ジェームスクック大学病院に通院する妊婦20人から協力を得た研究チームは、妊娠24・28・32・36週の時点における胎児の様子を、4D超音波写真で観察した。4D超音波とは、胎児の細かい表情や仕草のすべてをリアルタイムで映し出すことができる最新技術である。

 そして判明したのは、平均14本/日のタバコを吸う妊婦4人の胎児は、たばこを吸わない妊婦の胎児と比べて、顔や口元に手を持っていく回数が明らかに多いという事実だった。通常、胎児が自分の顔や口元に触れようとする回数は、発育が進んで出産が近くなるほど減少するという。そのためライスランド博士は、予備研究の結果も踏まえ、これは「妊婦の喫煙が胎児の中枢神経系に発育の遅れを生じさせる」証拠であるとした。

さらにライスランド博士は、「母体へのストレスと喫煙の相互作用を含め、影響を精査して確証を得るためには、もっとサンプル数を増やした大規模な調査が必要です」と前置きした上で、喫煙によって胎児の発育に差が生じるという事実だけでも、妊婦に禁煙の重要性を理解させる上で有効だという。そして、妊婦の喫煙をただ非難するのではなく、禁煙するための支援が求められていると訴えた。また、研究に参加したランカスター大学のブライアン・フランシス博士は、「喫煙が胎児の発育にどのような影響を及ぼすのか、テクノロジーによって、今まで気づかなかった事実が明らかになってきました」「妊娠中の喫煙が危険であることの新しい証拠です」と述べている。