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物忘れがひどい認知症チエックテスト


WHO(世界保健機構)の推定では、2030年までに認知症患者は7500万人まで増加するとされている。

 「軽度認識障害とされる記憶や思考の障害を生じるリスクが高い個人の早期発見は、非常に重要です。と言うのも、軽度認識障害のある人はやがては認知症にかかるリスクも高いからです。しかし、この方法なら予防措置を開始するための機会も広がることでしょう。」とピーターセン博士。

 本研究では、ミネソタ州オルムステッド郡の住人から1,449人を無作為に選択した。彼らは70~89歳で、記憶思考障害の既往歴がない人たちだ。こうした被験者に研究の開始時、および平均4年に渡って実施された15ヶ月ごとの来院時に記憶思考テストを受けてもらった。なお、この研究期間中、ほぼ3分の1にあたる401名が軽度認識障害を発症している。

 このテストでは診療記録から簡単に知ることが可能な要因を考慮した。これには教育を受けた年数、薬の服用数、脳梗塞や糖尿病の既往歴、喫煙の有無などが含まれる。さらに思考能力、鬱や不安神経症の兆候、歩行速度の遅れなど、同クリニックの来院時に入手された情報も加味されている。

各要因には、記憶障害を発症するリスクに寄与した度合いに応じたスコアが割り当てられた。例えば、75歳前に糖尿病と診断された場合、リスクスコアは14ポイント、教育を受けた年数が12年以下の場合は2ポイント上昇するといった具合だ。

 こうして判明した予測因子の多くには、性別による差が認められた。記憶障害リスクはどの年齢でも加齢によって上昇する一方、年齢が若い層の男性では、女性と比べると軽度認識障害を発症するリスクが高かった。反対に年齢が高い層の場合は、女性のほうが高リスクであった。

 記憶障害のリスクを最も高める要因は、年齢、糖尿病、心疾患リスク因子、鬱、不安神経症だった。また、研究中に認知症と関連する特定の遺伝子も発見されているが、そのリスクは中程度と判明した。

 「このリスクスケールはコストが安く、医師にとってはより詳細な検査を受けた方が望ましい患者を診断する手軽な方法となるでしょう」とピーターセン博士は説明している。