日日是好日

はてなフォトライフ

これでも原発推進派!!

福島第一 汚染水 破綻明かさず東京新聞

東京電力福島第一原発の汚染水量が一月にはすでに、地上タンクの容量を超え、貯蔵計画が破綻していたことが分かった。危機的状況にもかかわらず、東電はタンクには余裕があると発表。その裏で、水漏れ事故が起きた地下貯水池に汚染水を投入していた。この時点で危機を公表し、真剣にタンク増設に取り組んでいれば、四月五日に発覚した汚染水漏れ事故は防げていた可能性が高い。

東電の計画は、セシウム以外の放射性物質も除去できる新たな除染装置が昨年九月に稼働することを大前提とし、新装置でさらに浄化された水を池に入れる予定だった。しかし、新装置の安全面の問題により、昨年九月と十二月の二度にわたり稼働を延期した。

計画は新装置が予定通り動かない場合の備えをせず、汚染水量がタンク容量をぎりぎり超えない程度の甘い内容だった。慌ててタンクを増設したが、年明けには水量がタンク容量を超えてしまうことが確実になった。

このため東電は一月八日、3番池に一万一千トンの汚染水を入れ始めた。続いて二月一日には、2番池にも一万三千トンを入れ始めた。

だが東電はその事実を説明せず、毎週公表している汚染水処理状況の資料で、厳しいながらもタンク容量は順調に増えていることを記載していた。

一月九日の記者会見で、本紙記者がタンクの残り容量が一週間分の処理量(約二千八百トン)を下回った点をただすと、尾野昌之原子力・立地本部長代理は「タンクは約三万トンの余裕があり、足りなくなることはない」と強調し、池に汚染水を投入したことには触れなかった。

一月十五日付以降の処理状況を示す公表資料では、実際にはタンク増設は全く進んでいないのに、池に投入した汚染水の量をタンク容量が増えた形にして公表していた。タンクが増設されたのは、二回の池への投入が終わった後の三月になってからだった。

東電広報部は「タンクの増設はすべて計画通り進めており、問題はなかった。地下貯水池に(新装置で浄化していない)汚染水を入れることも想定していた。漏れたら別の池に移し替えるつもりだったが、全ての池が使えなくなる状況は考えていなかった」とコメントした。

       ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

東洋経済オンライン 4月9日(火)6時0分配信

東電福島原発の汚染水処理が「破綻寸前」

東京電力福島第一原子力発電所の汚染水処理が、「破綻の瀬戸際」にある。

 福島第一原発では、海抜35メートルの高台に設置された第2号地下貯水槽(貯水容量1万4000トン)から最大で120トンもの放射能汚染水が漏れ出している事実が4月6日に判明。翌7日には隣接する第3号(貯水容量1万1000トン)からも微量ながら汚染水が漏洩していることを東電が認めた。東電は現在、2号貯水槽から、それまで未使用だった1、6号貯水槽(貯水容量は各1万3000トン、1万トン)に汚染水を移送する作業を続けており、新たに安全性に懸念が持たれている3号地下貯水槽の貯水量も減らす取り組みに着手した。
■ 規制庁幹部も「破綻の危機」を認める

 ただ、ポリエチレンやベントナイトなど、わずか3層のシートでストロンチウムなど放射性物質を含む大量の汚染水を管理する地下貯水槽は、移送先の施設についても安全性に疑いが持たれている。7日には福島県が東電に「すべての汚染水を地下貯水槽から鋼鉄製タンクに移すこと」などを含む4項目の要請をしている。

 とはいえ、それができないのが現在の東電だ。

 「2号に続いて3号貯水槽も空(から)にした場合、汚染水処理は綱渡りどころか、破綻してしまうかもしれない」(原子力規制庁の金城慎司・東京電力福島原子力発電所事故対策室長)という段階まで追い込まれている。そのため東電では当面の間、地下貯水槽に汚染水を入れておくこと以外に選択肢はなく、「お手上げ」の状況と言える。


 8日夕刻の記者会見で、東電の尾野昌之・原子力・立地本部長代理は「すべての汚染水を(地下貯水槽と比べて安全性が高いとされる)鋼鉄製タンクに移し替えるには物理的にタンクの容量がまったく足りない」と発言。「漏洩の原因を見極めつつ、時間的経過の中で最終的な保管形態を考えたい」と、深刻な台所事情を明らかにした。

地下貯水槽に含まれる放射性物質の濃度はきわめて高い。「タービン建屋内の滞留水の半分程度」(尾野本部長代理)という厳重な管理を要する汚染レベルだ。しかし東電には、安全性に難のある施設を使い続けること以外に打つ手が残されていない。


■ タンク増設が間に合わない恐れも

東電は大規模停電を端緒とした重大事故の続発を踏まえて、7日付けで廣瀬直己社長を本部長とした「福島第一信頼度向上緊急対策本部」を設置。「土木・建築設備対策チーム」「電気設備対策チーム」など4つのチームを編成した。このうちの「汚染水対策チーム」では、「2013年度上期に増設を予定している12.6万トン分を初めとしたタンクの設置を前倒しする」ことを最大の目標としているが、毎日400トンのペースで増え続ける汚染水の収容が間に合う保障はない。

原発事故発生から2年余りにして、東電は最大の危機に直面している。