日日是好日

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ヤマブキ

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ヤマブキも満開になりました。


「七重八重花は咲けどもヤマブキの実の一つだに泣きぞ悲しき」(後拾遺1154)


【通釈】(詞書)小倉(京都嵯峨の小倉山付近)の家に住んでおりました頃、雨の降った日でしたが、来客があって、帰りがけ蓑を借りたいと言われたので、山吹の枝を折って持たせました。その人は事情が呑み込めずに帰って行きましたが、何日か経って、山吹の真意が解らなかったと言って寄越したので、その返事に歌を届けました。
(歌)表の意:山吹の花は七重八重に咲くのに、実が一つも結ばないのは不思議です。
裏の意:山吹ではありませんが、お貸しすべき蓑ひとつ無くて心苦しいことです。

【語釈】◇みのひとつだに 「実の一つだに」「蓑一つだに」の掛詞。八重山吹の花が実を結ばないことに、貸すべき蓑がないことを掛けている。◇なきぞあやしき 無いことが申し訳ない。「あやしき」は、この場合「道理や礼儀にはずれている」程の意。江戸時代の流布本などでは「かなしき」になっている。